Object and Image
5度目の個展
Maki Fine Artsギャラリーで池田衆の個展「Object and Image」が開催されているので見にいった。約2年半ぶり5度目の個展となるそうだが今回は今までと違う主題での作品発表となっている。池田衆は主に風景をモチーフに作品を制作してきた。それは都会の風景だったり草花や夜景だったり花火だったりした。写真を撮ってその写真の色々な部分を細かくまたは大胆にカッターで切り取って元の写真と全く違う印象の作品に変えてしまうのが今までの池田衆のスタイルだったが今回は古典的な主題である静物を題材にして作品を作っている。17世紀ヨーロッパで絵画のひとつのジャンルとして描かれるようになった静物画は時代とともに様々な画家たちによって新しい解釈で作品化され近年ではコラージュにまで発展してきた。池田衆の作品はコラージュ的な要素も大きくそこに静物画との親和性を見出し今回の制作のテーマに据えたそうだ。作品は相変わらず素晴らしいテクニックによって細かく切り出されたりまた貼るなどのコラージュ的な要素も加わって見事なシリーズになっていた。新たなテーマに挑戦する池田衆の今後にもますます期待が持てる展覧会だったと思う。
花は池田衆の得意とするモチーフだが今回は自然の花ではなく静物画だ。
果物なども静物画ではよく見られるモチーフである。
右下部分が驚くほど細かく切り出され白い部分が見える。
まるで絵画の筆のタッチのようにストロークを切り出している。
左にかなり切り出された果実、右にその前の状態の果実。
まるで古典絵画のような構図が美しい。
みかんの入った網の目が細かく切り出されている。
セザンヌの静物画のような果実の構図に切り出された部分が重なる。
たくさんのぶどうの一部が切り取られて不思議な印象だ。