魂がふるえる
過去最大の個展
六本木の森美術館で塩田千春の展覧会「塩田千春:魂がふるえる」が10月27日まで開催されている。6月20日から開催されているこの展覧会をやっと見に行けたのだが過去最大の個展と言うだけあって作家の25年以上にわたる制作活動を網羅するような個展となっていた。ベルリンを拠点に国際的に活動する塩田千春は様々な表現形態で作品を発表し続けて来た。今回の展覧会ではそれらを包括的に展示しているが立体作品やパフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを今回の展覧会のために制作した新作とともに見ることができる。中でも赤い糸や黒い糸をギャラリー空間内に張り巡らしたインスタレーションの迫力は圧巻だった。生と死や我々はどこへ向かっているのだろうかと言った塩田千春の根源的な問いかけが様々な作品となって訴えかけてくるが女性作家の表現の特徴なのかそこに身体的な繋がりや痛みのような独特の感覚を感じる展覧会だった。
赤い糸が黒い骨組みの船から溢れ出して空間を埋め尽くす。
パフォーマンスの写真から生と死を問う作家の気迫が感じられる。
地中に生きるというような試みのための水彩シリーズのようだ。
何かの臓器のようにも見れる立体作品たち。
美術館内の柱を色のついた糸でぐるぐる巻きにした作品。
東京の景色をバックグラウンドに様々な玩具のオブジェが並ぶ。
古びたグランドピアノとその周りを埋め尽くす黒い糸。
黒く焦げた木の椅子も黒い糸に囲まれて埋め尽くされる。
古く朽ち果てた窓枠や様々な木枠が無数に並ぶ立体作品。
塩田千春は舞台美術も多く手がけているが圧巻だ。
古い旅行鞄が赤い糸でまるで川のように吊るされている。