画家とモデル
画家とモデルの関係性
六本木のShugoArtsギャラリーにて小林正人の展覧会「画家とモデル」が7月6日まで開催されている。小林正人は1957年生まれで東京芸術大学美術部油画専攻を卒業した。その後は1996年のサンパウロビエンナーレに日本代表作家として選ばれたりキュレーターのヤン・フートに招かれ渡欧して2006年までベルギーのゲントに拠点を置いて活動を続けた。高校時代に愛する人物を描くために芸術の世界に足を踏み入れたという作家にとって画家とモデルの関係性は画家を志した時から今日まで変わらないテーマとなっているようだ。今回の展覧会でもモデルを描くという強い衝動と情熱のような雰囲気が絵画から伝わってくるようだ。画家とモデルいう絵画の世界における最も古典的な概念を描き続けることが小林正人にとっての根源的な動機であり続けているのがよく分かる展覧会だと思った。
入り口に展示された巨大な絵のモデルは後ろから心臓を撃ち抜かれている。
小林はキャンバスを張りながら手で描くという方法も発案した。
馬にまたがる人物のスケッチは荒々しいタッチだ。
歪んだキャンバスに人物の表情が浮かび上がる。
裸婦のドローイングにも情熱と感情が込められている。
スケッチブックからむしりとった紙に描かれた馬とモデル。
筆を口にくわえて食いしばるのは作家自身の自画像か?
ドローイングとモデルからのメッセージの描かれた紙切れ。
馬に乗る3人の人物ドローイングは素っ気なくピンで壁に貼られている。