NYアートリポートVol.30

Mark Manders

長々と続いたNYアートリポートも今回で最後となる。最後に紹介するのはオランダ出身で現在はベルギーを拠点に活動する作家のMark Mandersである。30年以上にわたって作家活動をするマンダーズは「ビルディングとしてのポートレート」という視点から自身の様々な胸像を作ることで知られる作家だ。書籍に挟まれていたりえぐられたりしているポートレートとしての立体作品は重厚感のある力強い作品として訴えかけてくる。建築、言語、物の見方というようなテーマを様々な実験的とも言える試みで追求した作品はコンセプチュアルであるが同時に作品としての見応えや美しさも兼ね備えていると思う。今回もアートフェアに始まってギャラリー巡りなどをして沢山の現代アートに触れることが出来たがアートの質や量の圧倒的な凄さには毎回だが感心させられる。次は久々に10月に開催されるロンドンのフリーズアートフェアを見にゆく予定だが今から楽しみである。

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ビルディングとしてのポートレートというマンダーズの試み。

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黄色を追求した平面作品。作品としての美しさもある。

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新聞紙の上に重なられた黄色の表情がとても面白い。

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口元だけを残してえぐり取られたセルフポートレート

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黄色の追求に白い外枠のようなエリアも出てきた。

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マンダーズが興味を持つ建築の見取り図のようにも見える。

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重厚な木材の板に挟まったセルフポートレイトの顔の一部。

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書籍物も興味のある対象物であるが変わった視点から見てみる。