NYアートリポートVol.28

JACK SHAINMAN GALLERY

再びニューヨークのギャラリー紹介に戻るとするがJACK SHAINMAN GALLERYはチェルシー地区にあってアメリカのアーティストを多く紹介するギャラリーだ。アーモリーショーのようなニューヨークのローカルなアートフェアでは存在感も高く地元に根付いたギャラリーという感じがする。今回はカンザスシティー出身で今はブルックリンを拠点に活動するPAUL ANTHONY SMITHという作家の展覧会を開催していた。今回がこのギャラリーでの初のソロエキシビションになるという作家は写真に加工を施して作品化する。ピコタージュという技法は写真の表面をカッターなどでえぐって白い部分を剥きだすことによって様々なパターンを作り出すという表現方法で沢山の小さなえぐられた跡を見ると途方もなく気の長い作業であることがわかる。しかしながらその苦労の先には単に白く着色をするのとは違ったユニークな風合いが出るのが面白い。それにしてもこのギャラリーは毎回のように新しいアメリカの作家の才能を見せてくれる。

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写真の上からピコタージュによってパターンの加工を施す。

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画面のほとんどをパターンが覆うが何もせず残した部分もある。

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なんでもない風景写真が鮮やかなパターンで生まれ変わる。

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パターンで覆う部分と残す部分のバランスが面白い。

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正確で細かい作業によって見事なパターンが浮き出るのだ。

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カラフルな写真に白いパターンが複雑な効果を与える。