Prologue of Trance Reality

トランスリアリティ

3月14日まで丸の内の丸ビルにあるH.P.FRANCE GALLERY MARUNOUCHI にて山口真人による「Prologue of Trance Reality」が展示されている。縁あって知り合いでもある山口さんの展示であるが様々なものが機械化され続ける現代において機械によって制作をするというユニークなアプローチでペインティングを完成させる作家さんだ。「トランスリアリティ」と名付けた表現活動は「人類と機械」「物理空間と仮想空間」という対極にある概念を融合させて視覚化する試みだという。モチーフや顔料の量などは作家が決めるがそのあとは独自に開発した作画マシーンとでも呼ぶべき機械が絵画を制作するのである。機械が描き出す絵画世界はプログラムの乱数によって想像が難しく結果として予想もしないような人間と機械の融合としての作品が作り出される。デジタルイメージを導入した絵画やコンピューターや機械などの様々な手法を使ったメディアアートも増えてきた中でこのような新たな表現の今後の動向を見守りたいと思う。

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モチーフの女性の顔もネット上で検索したイメージだという。

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予測不可能な人間と機械の融合を可能にする作画マシーン。

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機械によって繰り返し塗りつぶされた画面にイメージが浮かび上がる。