国津神

天明屋尚の新作展

3月30日まで市谷にあるMizuma Art Galleryにて2年ぶりとなる天明屋尚の新作展「国津神」が開催されている。今まで戦国時代の大名や江戸時代の傾奇者など日本の祝祭的な美を題材に取り上げて作品を作ってきた天明屋の今回のモチーフは「国津神」である。「国津神」とは高天原から天降った天津神とは対局の古来から日本の地に土着する荒ぶる神のことだという。それぞれに神獣や雲に乗った8つの神々の肖像は実に力強く、そして丁寧に美しく描かれて迫力も満点だ。ギャラリー内には壁に沿って塩が積まれ中央には神社の御神体に着想を得た立体作品が置かれ左右には小さな祠が据えられている。神々と塩に囲まれ御神体が真ん中に据えられた空間はまるで神聖な小宇宙のようだ。日本の美意識、精神性、宗教観など改めて感じつつ見られる独創的な展示となっている。

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塩の上に据えられた御神体に着想を得た立体作品と両脇の光る祠。

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壁に沿って大量の塩が積まれた壁面に神々の絵が展示されている。

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実に丁寧にしかし力強く描かれた神々は個性的で美しい。

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8つの神々も独創的な姿だが神々のまたがる神獣などもユニークだ。

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雲に乗って現れた神はよく見ると現代的な顔つきをしている。

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透き通る青色の祠はライトボックスに置かれているので光って見える。