島々をなぞる

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神楽坂にオープンしたシェアオフィス施設の「faro」にあるギャラリースペースで3月23日まで寺本愛の個展「島々をなぞる」が開催されている。以前にも見たことのある作家だが大学で美術と服飾を学んだ経歴から作品には服飾というテーマで人物像が描かれる。独特の白黒のドローイングは漫画のようなファッションイラストのような不思議な雰囲気だが薄く着色されることもあるそれらの作品は物語の一コマのような感じもする。今回は沖縄での展覧会のために沖縄の文化を考察しつつ作品制作をしたそうだが歴史的に様々な変化を強いられてきた沖縄を前にイメージが湧きにくかったそうだ。そんな時に戦前の平和な沖縄の写真を掲載するウェッブサイトに出会い普遍的な生活を送る沖縄の人々を見つけてそこからインスピレーションを得たそうだ。服飾文化に深くつながりを持ちつつも普遍的な人間の営みを描こうとする作品は実に独創的である。

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懐かしい昭和の雰囲気がする風景と人物の絵である。

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格子状の線の組み合わせと人物の不思議なポーズが印象的だ。

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薄い着色のある肖像画も服装のディテールが見事に描かれている。

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謎の行動をする人物像。瞳が3つある目が特徴的である。

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まるで映画か小説の一場面のような物語性を感じる絵である。

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白黒に薄いピンクの色彩のドローイングは非常に繊細に描かれる。

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漫画の画面のような画面構成の中で不思議な物語を演じる人物。