アルカディアン
福井篤の世界
六本木にある小山登美夫ギャラリーにて3月9日まで福井篤展「アルカディアン」が開催されている。小山登美夫ギャラリーでは5年ぶり7度目の個展となり作品は全て新作のペインティングである。福井篤の世界とでも呼ぶべきだろうか、この作家は実に独特な世界を絵画によって表現する。どこか遠い星の出来事かあるいは理想郷なのか、キノコや水晶でできた山並み、空中に浮かぶ星のような物体、森や険しい崖など空想世界かSFの世界の話の挿絵を見ているような不思議な世界が目の前に繰り広げられるのだ。細部まで非常に緻密に写術的に描かれているにもかかわらず絵に描かれた世界は謎に満ち溢れたファンタジックな望郷のように描かれる。複数の色の違ったアクリル絵の具を塗り重ねることによって深みと重みのある世界観を表現するテクニックも素晴らしくアクリル絵の具の正しい使い方の見本を見ているようだ。
草むらを風の中歩く少女?何か思わせぶりな表情が印象的だ。
湖に浮かび上がる島と森は静かな水面に反射している。
読書をする少女。アクリル絵の具を塗り重ねるテクニックが凄い。
冒険に出たのか、大きなリュックを背負って崖を登る人物。
少女の前には沢山の計器類が並ぶが宇宙船の中なのか?
のどかな風景の中、空には星の形をした物体が浮かんでいる。
そびえ立つ険しい山は全体が大きなクリスタルの塊なのか。
レセプションには沢山の人が訪れていた。作家の人気がうかがえる。