香港アートツアーVol.3
抽象絵画の巨匠
Pearl Lam galleriesでは抽象絵画の巨匠Robert MotherwellのOpen Paintingsとそれに関連するコラージュ作品を展示していた。1950年代におけるアメリカの抽象絵画の表現の礎を築いたロバート・マザーウェルはフィリップ・ガストン、ウィリアム・デクーニング、ジャクソン・ポッロク、マーク.ロスコなどの近代絵画の巨匠たちと同じ時代に活躍したがエディトリアルや文章などその活動は絵画制作だけにとどまらない影響力を持った。同じく女流画家として成功していたヘレン・フランケンセラーと結婚していたこともあった。1969年代の終わり頃、マーティン・ルーサー・キングとロバート・ケネディーが暗殺され政治や社会に不安が増す中、ヘレン・フランケンセラーと別離したロバート・マザーウェルはOpen Paintingsのシリーズに着手したという。ギャラリー内には歴史を垣間見れる写真付きの年表もあって非常に興味深かった。H Queen’sとPedder Buildingの2箇所のギャラリー会場での同時開催展はアメリカにおける抽象絵画の歴史を振り返る素晴らしい展示だった。
Pedder Buildingのギャラリー内の展示風景。静寂の中に佇む絵画。
コラージュ的な作品も多いマザーウェルだが斬新な作品である。
これも郵便物をコラージュに使った作品。鮮やかな色合いが魅力だ。
アメリカの50年代から始まる抽象主義の代表的な作家といえる。
これも紙袋をコラージュに使った作品。線との組み合わせが面白い。