Park

見応えのある作品

六本木のギャラリーコンプレックスにあるタカ・イシイギャラリーにて2月16日まで村瀬恭子の個展「park」が開催されている。26年間暮らしたデュッセルドルフから2016年に帰国して現在は東京で制作活動をしているという作家が久しぶりに聞いた蝉の声や日本独自の木々の様子など体感した思いを作品に込めている。この作家さんの絵は非常に好きなので今回の個展も非常に興味深く見せてもらった。ドローイングもあるが大きめの作品もあって実に見応えのある作品に改めて類い稀な表現者としての作家の才能を感じた。光や水の揺らめき、風の動きなどを連想させる独特の画風はさらに輝いて見えた。繊細にして大胆な存在感を放つ絵画表現は自由な発想と豊かな感性によって生み出されるに違いない。風景に溶け込む人物の動きを見ているとまるで儚い幻を見ているような不思議な存在感を感じてしまう。

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風景に溶け込むように佇む人物。繊細な描写が素晴らしい。

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森の中をすり抜ける風のように動く人物は幻のようでもある。

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単色を使って非常に豊かな絵画世界を生み出しているのも凄い。

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同じような風景と人物を違う角度と色彩で描くのも面白い。

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草などの動き、森の木の動きも細かく描きこまれる。

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ドローイングはソールドアウトだったが紙がシワになる程描きこみをしていた。