Vice Versa-Les Tableaux

逆も真なり

六本木にあるギャラリーShugoArtsにて12月12日から22日まで小野祐治の個展「Vice Versa-Les Tableaux」が開催されている。逆も真なりと題されたこの展覧会は作家が1995年に着手し始めて以来撮影を重ねてきたタブローシリーズの最近の成果までを披露する12年ぶり(東京では14年ぶり)の個展となる。古典の名画を昔と同じように人工的な照明のない環境で時間をかけて撮影するという試みは絵画という手法の歴史を遡る試みでもあるという。光というものは写真の撮影にとって重要だが「可能な限り時間を遡り、当時の画家達と同じ条件に身を置いて撮影する」という徹底した試みによって撮影された名画達は全く違った表情と存在感を表しつつ写真という2次元に立ち現れる。静寂の中、時間という魔法によって現れる絵画と写真の表裏一体の絶妙な美しさは新しい発見のように思われる。

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フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」が浮かび上がる。

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絵画の存在感が重厚な額縁の存在感と共に現れた作品。

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少女の姿が見て取れるが額と全てが一体の作品になっているようだ。

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燻し銀の塊のように重厚に存在する時間を経た絵画の姿。

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額縁の立体感の美しさも際立って見えるのが面白い。

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これはレンブラントの名画だろうか、静かに存在する感じだ。