夏の日

不思議な風景

渋谷ヒカリエ8階の小山登美夫ギャラリーにて桑原正彦の個展「夏の日」が開催されている。高度成長期の日本で育った作家は歪んだ闇が暗示されているかのような絵を描いていたが90年代後半からは社会よりもより自己の内面に眼差しを向けた作品が増えていったという。今回の展覧会は1997年から2001年の間に作家が描いたドローイングとペインティングを中心に展示するという面白い趣向の展覧会になっている。原っぱに横たわる豚やアザラシなど薄いタッチで描かれるのはなんとも不思議な風景だ。作家にとって20年近くも昔の己の作品と改めて向き合うというのは今の自分を見つめることにもなると思うが懐かしいような残酷なような試みと言えるのかもしれない。

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水辺に横たわるのは豚アザラシ?不思議な雰囲気の世界である。

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薄いタッチで描かれる作品には様々な生き物や物が散乱する。

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貝を食べるアザラシに蝶々がとまっているという摩訶不思議な風景。

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野原だろうか?野花や豚、虫が非常にゆるいタッチで描かれる。

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20年以上も過去に描いた作品でこの展覧会を構成している。