Youth

2年間の仏道修行を経て

六本木のcomplex665ビルにある小山登美夫ギャラリーにて川島秀明の個展「Youth」が12月22日まで開催されている。東京造形大学を卒業後に比叡山で2年間の仏道修行を経て2001年よりアーティストとしての制作活動を開始するという経歴を持つ作家である。一貫して人物像を描く作家は顔というモチーフと向き合いながら繊細かつ複雑な感情を表現してきた。それは自意識と向き合うことでもありどこか仏道修行と相通ずるところもあるのかもしれない。うっすらと塗り重ねられた色のグラデーション、繊細で淡い輪郭線で描き出される人物の魅惑的な眼や表情は独特の洗練さを秘めている。5年ぶりとなる展覧会でもその魅力的な人物たちがギャラリーの壁面を埋め尽くしている。作品をじっくりと観察することで自分と向き合う様な深い意識を感じる展覧会だと思う。

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どこかを見つめる少女は何かを思いながら妄想しているのか。

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図書館で絵を描く少女。なぜか不気味なドクロを描いている。

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自分の指策を見つめる少女の表情はどこか虚ろである。

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バラの柄のシャツを着た人物。少年か少女かわからない。

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花園に佇む人物像。どこか物悲しい様な目の表情が印象的だ。

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シャワーを浴びる少年。タイルの青い色が鮮烈である。

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鉢植えの花を眺める少女。物思いにふけっている様でもある。

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植物の前に経つ学生服の男女。無表情の中に何を読み取るか。