見ること
作品集の刊行記念展
9月8日から10月6日まで六本木の小山登美夫ギャラリーにて日高理恵子の作品展「見ることー作品集1979-2017より」が開催されている。「日高理恵子作品集1979-2017」の刊行を記念して開催されているこの展覧会では作家が30年以上にわたり一貫して樹を見上げて描き続けてきた樹と空と自分自身との間にある絵画空間を振り返るような展示となっている。「私にとって絵を描くことは”見ること”」と作家本人が語るように彼女の作品は「見ること」や「見れば見るほど計り知れない」という感覚で満ち溢れている。絵を「描く」という行為の基本中の基本である「まず見ること」を丹念に続けて数多くの作品を制作してきた作家のブレのない姿勢が素晴らしい。見れば見るほどにさらに見えてくるものがあるということを知らしめてくれるような表現への飽くなき探究心には心を打たれる。
樹とその周りの空間が空をバックに広がっていく。
見上げる先には枝が空に向かって伸びながら躍動する。
見るという行為に終わりはないということを教えてくれる作品だ。
初期の作品など含め30年以上のキャリアから抜粋された展示となっている。