Rainbow Bridge

アメリカ的風景

元麻布にあるKai Kai Kiki Galleryにてアメリカ人作家ウエンディー・ホワイトの展覧会「Rainbow Bridge」が開催されている。村上隆氏によってキュレーションされたこの展覧会にはホワイトの過去のシリーズ「フォトビルド」、「ポートレイト」、「ジーンズ」からの作品に新作4点も加えられた。アメリカ的風景とでもいうべきか、ホワイトの作品はビルボードやグラフィティー、巨大な広告写真、ニュースのヘッドラインの写真などアメリカの生活に溢れる風景がポップに構成されている気がした。どこかラウシェンバーグやローゼンクェストを思い出してしまうのは僕だけだろうか。しかし、ホワイトの感受性は20世紀のポップではなく21世紀のポップな気がするのはやはり作家がこの時代を生きて制作しているからだろう。よく見ると多用されたシルクスクリーンの上に重ね塗りを施し、そこにポッロックのようなドリッピング的な絵の具の飛び散りを配するなどアメリカンポップのDNAが感じられる。キャンバスを金属やプラスチックのパーツで再構築して新たな枠ぐみとしての画面を構成したり大量のジーンズを縫い合わせてキャンバスにするなどのという作家独自の表現も面白い。

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キャンバスを重ねて再構築した作品。グラフィティーっぽい。

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大量のジーンズを縫い合わせてキャンバスにした作品。ポケットに色々入っている。

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スキージャンプする人と失敗する人の対の作品。ローゼンクェストを感じる。

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女性のレーサーをモチーフにした作品。キャンバスに黒い虹がかかる。

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広いギャラリースペースに展示された作品。大きな作品もある。