幸福な絵画

初の個展

526日から623日まで白金にある児玉画廊にて井上健司の個展「Cairn」が開催されている。若い作家の初の個展だとのことだが明るくて楽しい色使い、様々なことが一つの場所で起こっているような愉快な世界観など色彩感覚や画面構成に才能を感じる。絵の具もアクリルと一緒に油絵の具も使っているようで部分的に光沢があったり薄く透き通ったレイヤー部分があったり細くて鋭い線が描いてあったりと見ていてとても楽しい。絵にはインテリアのようなシーンもあれば沢山の人や自転車が描かれた風景があったりしているが決してごちゃごちゃしていなくて奇想天外でもなくどこか夢の中のシーンのような感じで見るものを思わず楽しくさせるような幸福な絵画となっている。作家の性格もあると思うがとかく奇をてらった感じになりがちなテーマの絵をごく自然に暖かさを持って描いているのは素晴らしいと思った。初の個展にして力作ぞろいで今後も注目したい作家である。

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浜辺で手を繋ぐたくさんの人々はゆらゆら揺れて楽しそうだ。

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どこか夢の中で見たような不思議な感覚の風景画である。

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スプリンクラーだろうか。人物の服に描かれたマチスの絵柄が可愛い。

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繋がれた沢山の手と手はどこかユーモラスな感じだ。

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無数の自転車に降り注ぐ雨だろうか?細い線で見事に描かれる。

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これも手を取り合って踊る人々。マチスへのオマージュか?

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アクリル絵の具と油絵の具をうまく使い分けて描かれる世界。

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カラフルで幸福な雰囲気のインテリア。ホックニーを連想させる。

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大胆に構成された画面は絶妙なバランスで表現される。