Dawn Chorus

凄い写実画

神宮前にあるGallery38にて5月17日から7月7日までロマーン・カディロンの個展「Dawn Chorus」が開催されている。一見写真展かと思ったらなんと全て手で描いた精密な写実画だと聞いて驚いた。しかし、確かにそれは写真にしてはどこか温かみがあるというか機械的な感じがしない。だがかなり近づいて見ても炭で描かれたドローイングであるとは思えない不思議なリアリティーがあるし信じがたいような技術だと言える。フランス出身の作家は日々アトリエで主題を分析し尽くしそのあらゆる多様性を抽出したいという欲求をドローイングという形で表現するのだという。それにしてもここまでの完璧な写実をするのは大変な作業だと想像できるしもはや描くという行為が瞑想のような域に達しないとここまでのドローイングは描けないと思う。静寂の中に光と影を落としながら佇むドローイングには唯一無二の迫力があるので是非実際に見に行って欲しい展覧会だ。

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石膏のモデルを見ながら精密に描き出されるドローイング。

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光と影を見事に描ききっているのが素晴らしいと思う。

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モデルの石膏の顔面像。だが作品は石膏デッサンのレベルではない。

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グレーのトーンのドローイング。もはや瞑想の境地に入っている。

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複雑なイメージを見事に描ききっている。凄いテクニック!

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オープニングレセプションには多くの人が訪れた。