プレイルームと飯事

初めての個展

5月7日まで白金の児玉画廊で緒方ふみの個展「プレイルームと飯事」が開催されている。緒方ふみは児玉画廊が定期的に行うグループ展、「ignore your perspective」に以前参加しているが今回が初めての個展だそうだ。作家の中では作品は絵画と称されるのだそうだが見た感じは立体作品、インスタレーションという作品になっている。絵画を制作する、絵画で美しさを表現するという試みは非日常的な行為でありそれは作家が考える美しさと異質なものになるのだそうだ。

 

美しさとは?

緒方ふみにとって美しさとは「生活のような切実な行い」であり人が生きるためになすべき日々の行いこそが切実で美しいいと感じるのだという。そういう中にあって美術の制作行為は圧倒的に異物であり作品制作のために苦しむことや迷うことは「生活のような切実な行い」から離れた行為となってしまう。そんな問題と向き合うために絵画制作において「在ることで美しい」やそういう状態への「在り方を示す」ことを自分なりの絵画として認識することから始めたものが今回の作品なのだそうだ。絵画という枠組みを根本的に解体して大胆に、そして果敢に新たな絵画の定義に挑戦する作家の心意気のような気合いは見て取れた展覧会だった。

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くり抜かれたフレームの中にワイヤーやクリップで色が置かれる。

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木のボードにクリップで記事の破片がコンポジションされた。

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黒い切り抜かれたフレームにワイヤーで円形物が吊るされる。

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白いパイプに垂れかかるいくつもの作品は全体で一つの絵画世界を作る。

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くり抜かれた枠の中に紐と生地の切れ端が構成される作品。