ベルトラン・ラヴィエ展
流用と表現
表参道にあるESPACE Louis Vuitton TOKYOにて4月19日から9月24日までフランスのアーティスト、ベルトラン・ラヴィエの作品展が開催されている。初めて知る作家だったが1980年代から90年代に起こったアプロプリエーション(流用)アート運動に強い影響力を与えた作家だそうだ。日常的な物を流用してそのもの本来の目的とは異なった意図を表現するこのアート運動はニューヨークにおいてはシミュレーショニズムという表現の作家たちへと続いた表現運動なのだろうか。そうであるならば今最もホットなジェフ・クーンズも同じ表現のルーツを持つ作家ということになる。作品を見ると確かに80年代ニューヨークで見たアシュリー・ビカートンや初期のジェフ・クーンズの作品に通じるものを感じた。
ヴィトンと現代アート
ルイ・ヴィトンはベルナール・アルノーの影響によって現代アートに甚大な金と労力をつぎ込んできたファッションブランドである。その現代アートコレクションの量はスイス銀行、ドイツ銀行についで世界第3位といわれる。パリにはフランク・ゲイリー設計の美術館もある他このESPACE Louis Vuittonをミュンヘン、ヴェネチア、北京、東京の世界4都市で展開しアートコレクションからの作品展を絶え間なく開催しているのだ。現代アートのために徹底してサポートすることの全てが回り回ってルイ・ヴィトン社に還元されるという実にスマートなビジネスを展開しているのだ。考えてみればルイ・ヴィトンがコラボレーションしたことで今まで現代アートを知らなかった世界中の人がリチャード・プリンスや草間彌生、村上隆、ジェフ・クーンズなどを知ったわけでその影響力は凄まじい。表参道のESPACE Louis Vuitton TOKYOはスペースも天井が高くて開放感があって素晴らしいので是非出かけてみてはいかがだろうか。
サルバドール・ダリのデザインしたソファーを冷蔵庫に乗せて。
万博のモニュメントとニジェールの呪物のブロンズ作品。
フランク・ステラのアイコニックな作品をネオン管で表現。
フランスのサント・ヴィクトワールの道路標識を絵画的に表現。
コミック雑誌のミッキーマウスに出てきた現代アートを実際に表現。