韓国におけるピカソ

現在なんと81歳

六本木の小山登美夫ギャラリーにて224日から3月31日まで韓国の画家キム・チョンハクの絵画展が開催されている。現在なんと81歳というキム・チョンハクの日本では実に44年ぶりとなる個展だというが初めて知る作家だったので過去の作品なども色々と調べてみた。溢れるような色彩、力のある画面構成力など現在展示されている以外の過去の作品を見てもどれも素晴らしく「韓国におけるピカソ」と呼ばれているのも納得である。

 

力の抜けた力強さ

西洋絵画の抽象の要素に独自の具象の表現力を加え韓国の伝統芸術からも影響を受けたという絵は力の抜けた力強さに溢れているというか、不思議なエネルギーに溢れている。今回展示されている絵は全て去年描かれた新作だというが年齢を重ねたからこそ至れる世界というものもあるのかもしれないがそのシンプルで力のある魅力には感服するばかりだ。自然を見て感じた自分の世界を素直に描く。簡単に描けそうでいて、それはそう簡単には描けない境地の絵画だと思う。絵を見るものも開放してくれるような絵とでもいうか、見つめていると美しくて自由な自然への讃歌のような感情が湧いてくる絵だと感じた。

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白い画面に草が描かれている。絵の具の色と線のバランスがいい。

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雪の中に一本の川が流れる風景を一筆で描ききる凄さ。

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雪景色の中川に鴨が泳でいるが驚くほど簡単なように描かれる。

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今回一番の大作は森の中の風景。鳥が二羽、木の枝にとまっている。

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これは秋の風景か、色づいた草木の間を戯れる小鳥が可愛い。

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かなりしっかり描きこまれていても絵のエッセンスは変わらず。