UNMANNED

仮想都市

3月31日まで六本木のAXISビル2階にあるタカ・イシイギャラリーフォトグラフィー/フィルムにて尾形一郎 尾形優による個展「UNMANNED」が開催されている。タカ・イシイでの2度目の個展では作家が少年期より収集してきた世界中の鉄道模型や建物、工場などのプラモデルを用い線路が張り巡らされた仮想都市を制作。その都市の中を走る列車から無人で撮影した2種類の映像を映し出す作品となっている。

 

もう一つの小さな都市

今から30年ほど前に夫婦で旅行した共産圏の国々で目撃した価値観の転倒した世界に衝撃を受けた作家は自宅に87分の1スケールの鉄道キットを組み合わせて最初の模型を作った。そしてその後も自分たちの常識や価値観を覆すような街や建物を求めて世界中に旅を続けた。そして、東京に新しい家を建てる際に妻が「家の中にもう一つの小さな都市を作りたい」と提案したことから今回撮影した巨大ジオラマが完成したという。東京の原風景や撮影で訪れた不思議な街の風景などを重ねた小さな都市を走る電車からの風景はなんとも奇妙な雰囲気を醸し出す。無人の中で撮影された車窓からの風景を眺めながら実際のジオラマも見てみたいと思った。

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線路をひた走る列車の外には目まぐるしく変わる景色が広がる。

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ジオラマの小都市を様々な国の列車が行き交う。

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ネオンサインや建物など東京の原風景と世界の不思議な街が重なる。

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2m x 8mのジオラマ都市にはかなり広々とひらけた景色もある。