「建物」から「建物2」へ

S極とN極

天王洲アイルの児玉画廊にて和田真由子の作品展、「建物2」が2月24日まで開催されている。2017年4月に白金の児玉画廊にて開催された作品展「建物」の内容を受けて構成される今回の作品展では建物をモチーフにした立体的な構造の作品が制作された。平面的な視点で造形された立体作品とでもいうかそれぞれの作品は「建物」というモチーフについて作家が持つイメージ論の表現であり前回の「建物」と今回の「建物2」は同じ軸足を持ちつつ存在する表現のS極とN極なのだという。

 

イメージの形

作家は一貫して「イメージにボディを与える」行為を作品作りとして「イメージ」の形を表現してきた。絵画という概念を「イメージ」の描出という一義に特化して可変な行為として拡張し再定義する。その結果として作品が生み出されるのだが真に絵画的なものとは作家が思い描く「イメージ」そのものであり表現方法はその形態を問わず「イメージにボディを与えた」ものとして作品化されるのだという。作品を一見すると単純な形や形態に思えるが鑑賞するそれぞれの人が受け取る「イメージ」の形は様々でありその意味ではとても奥の深い作品だと思う。

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平面と立体、「イメージにボディを与える」行為が作品になる。

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作品の色や与えられた質感などにも細かい表現が見られる。

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建物というモチーフに関して自由な「イメージ」を与える行為。

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一見するとシンプルな構造物だがそれだけに奥が深い。

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見るものによって様々な「イメージ」を思わせる構造体。

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ギャラリー内に整然と設営された作品群が語りかけるようだ。