DAY IS DONE

自由のための見世物小屋

今回「DAY IS DONE 自由のための見世物小屋」展でお目見えしたマイク・ケリーという作家の作品を初めて見たのは1990年代初めだっただろうか。NYのギャラリーですごく不思議な古いぬいぐるみを使ったインスタレーションを見たのが最初だったと思う。毛糸を編んだアメリカっぽい毛布の中にぬいぐるみが潜む気配の盛り上がりがあって、反対側にはETのぬいぐるみが置かれているような感じのインスタレーションだったと思う。他にも様々な古いぬいぐるみを使ったアメリカンキッチュといった感じのインスタレーションがギャラリーの床一面に展開していたのを記憶している。

 

ワタリウムにて開催

1月8日から3月31日まで外苑前にあるワタリウム美術館にてマイク・ケリー展が開催されると聞いて早速見にいってみた。マイク・ケリーは先に述べたぬいぐるみを使ったインスタレーション以外にも絵画、コラージュ、オブジェクト、ビデオ、パフォーマンスなど多岐にわたる表現方法でアメリカの抱える闇の部分を時にユーモラスに、時に不気味に描き出した天才的な作家だ。アート界の闇の帝王ともいうべきケリーはマイノリティー差別や暴力、性などを題材に痛烈な作品を作り続けたが残念なことに2012年に亡くなってしまった。ワタリウム美術館ではこの展覧会を皮切りに複数回のマイク・ケリー展を開催するそうで楽しみだ。ビデオインスタレーションなどは見るのに時間がかかるのでお時間のある時に是非!

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ケリーのルーツであるアイルランドの神話のバナーが垂れ下がる。

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DAY IS DONEは「課外活動再構成」シリーズ#2~#32の総称だ。

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延々と並ぶピンクのタンクトップもなんだかわからなくて不思議?

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写真作品とビデオ作品を一緒にうまく展示構成している。

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ビデオに現れる様々な不気味な人々がアメリカの闇を描く。

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エクトプラズムを吐き出す自らの写真作品。怖いイメージだ。

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インディアンの娘をイメージに使ったバターの絵は性的シンボル?

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どこか錯乱していて狂ったような緊張感を感じる絵だ。