天才アラーキー
死にゆく美しさ
南青山にあるRAT HOLE GALLERYにて8月31日まで荒木経惟の写真展「花幽園」が開催中だ。荒木経惟通称「アラーキー」といえば言わずと知れた天才フォトグラファーだが新宿のオペラシティーでも大規模な展覧会が開催中なのでこの夏は「アラーキーを見る夏」ということでお勧めします。電通マンを辞めフリーランスの写真家になったアラーキーは東松照明や森山大道などらと「WORKSHOP写真学校」の設立に参加、その後は写真家として数々の賞を受賞してきた。
エロスと死
アラーキーの写真といえば縛り上げられた女性や早くして亡くなった妻の写真のイメージなどが浮かんでくる。肉体のエロス、死を捉えるために映し出す儚い命の姿が生涯かけて撮り続けているテーマなのだと思う。あからさまに全てをさらけ出しそれをカメラに収めることで人間とは何か、生と死とは何かといった普遍的なテーマを追い続けているのではないだろうか。今回は息を呑むような色や質感の花々にエロスを象徴する人形のかけらやビニール製の怪獣などを組み合わせ何か匂い立つような強烈な写真を撮っている。この夏はアラーキーを見に出かけよう。
鮮烈な色合いの花束の中に縛られた女性の人形や怪獣が。
こちらの生け花は毒々しいが中にいる人形もちょっと怖い。
会場のラットホールギャラリーでのレセプション風景。
小さい方のプリントはバラで1枚15万だという。お買い得だ。