まばたきもせずに
30代の作家
天王洲アイルのTERRADA Art ComplexにあるKOSAKU KANECHIKAギャラリーにて青木豊の展覧会「まばたきもせずに」が8月12日まで開催中だ。まだ30代という若い作家さんだというが独自の絵画世界を作り上げているのには感心させられた。絵画の物質的な存在を究極まで表現するために作家は様々な行程を用いてまるで金属のように滑らかで硬い絵画作品を完成させる。
マチエールと形
まずキャンバスを木のストレッチャーではなく板に貼りそれを着色、その上でヤスリで表面を磨き上げマスキングしてまた着色しその上にモデリングペーストのような素材で独特のマチエールを出す。勢いよく盛り上がる力強いマチエールと四角や殴り書きのようなシンプルな形の組み合わせは絶妙で絵画の存在感を浮き彫りにするような魅力があると思った。今後の活動がさらに楽しみな作家である。
一見すると殴り描きのようだ独自の製作工程で完成する。
カモフラージュ柄の上に踊りような銀のライン。計算された構図だ。
ミニマリストの作品を思わせる力強い絵画作品である。