”Les Sens”

日本とは違うひかり

ヨーロッパで出会った日本とは違う刺すような光に衝撃を受けて以来、パリを拠点に写真家活動をしてきた田原桂一が6月6日に他界された。その田原桂一の写真展が銀座のPOLA MUSEUM ANNEXにて7月9日まで開催されている。ひかりを通して自然や人、風景など様々な被写体を作品世界に移し続けた写真家にとって最後の展覧会となってしまったが大きな手と小さな手の白黒作品や光を放つインスタレーション、床一面に砂つぶの敷き詰められた会場は圧巻の迫力である。

 

ひかりを表す

ヨーロッパの鮮烈なひかりを表すために田原桂一は写真に限らず彫刻やインスタレーション、建築にまで幅広く活動の場を広げた。77年に発表した「窓」シリーズがアルル国際写真フェスティバルで大賞を受賞して以来、一躍世界的に脚光を浴びた作家は日本やヨーロッパで数々の展覧会を開いてきた。この展覧会”Les Sens”は木村伊兵衛賞を筆頭に数々の賞も受賞した巨匠、田原桂一が自ら監修した最後の展覧会となってしまったがこの貴重な機会に是非見に行っていただきたい。

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大人の手と赤ちゃんの手が大判プリントされた圧巻の白黒写真。

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会場の床は一面黒い砂つぶで覆われ暗い中インスタレーションが輝く。

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会場のあるビルの1階ウィンドーにも作品が展示されていた。