ヒロシマカラー

企画展で出会った作家

6月27日までMAHO KUBOTA GALLERYにて古武家賢太郎の個展「ヒロシマカラー」が開催されている。古武家君と最初にお会いしたのは15年ほど前のこと、当時中目黒にあったSPACE FORCEというカフェギャラリーのディレクションをしていた時に企画したグループ展だった。「DRAW BY HAND」という企画展はパソコンが出始めたその頃に「手で描かれた」作品を集めたグループ展で参加アーティストの1人が古武家君だった。その当時から色鉛筆を使って丹念に重ね塗りするような技法で作品を描いていたのを記憶している。

 

常に進化する作家

その後、描く対象の表現がどんどんユニークになっていったが、古武家君にしか描けない色鉛筆を使った描き方とそこに描かれる奇妙にデフォルメされたキャラクターの面白さにはますます磨きがかかった。SCAI THE BATHHOUSEという素晴らしいギャラリーもついて10年ほど前に開催された個展ではエンベロープシリーズという封筒の裏などに絵を描いたシリーズを1点購入した。その辺りから古武家君はロンドンに暮らしながら制作活動をしているが今回は久々の個展となった。桜の木に描いたという新作は色彩豊かで素晴らしい作品となっているが故郷の広島に出来た蔦屋の中の壁画を描く為に来日して制作している間に同時に制作したシリーズなのだという。これからにも更に進化し続ける古武家君の活躍に期待したい。

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色彩が素晴らしいがタオルに血が付いていたり毒気もある。

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海外の封筒などの裏に絵を描くエンベロープシリーズの新作。

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もこもこしたこれはいったい何か?色使いが素敵だ。

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招待状にも使われた男女の姿の絵には不思議な魅力がある。

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今回はこんな不思議なオブジェも制作、常にチャレンジしている。

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木なのだろうか、しかし目があってとてもチャーミングだ。

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人物の大胆なデフォルメは古武家君の真骨頂である、猿も良い感じ。

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今回一番の大作は3つの木のパネルを繋いでいる。