うつくしい日々

父への想いと共に

原美術館で5月の19日まで蜷川実花の写真展、「うつくしい日々 蜷川実花」が開催されている。

昨年他界した演出家で父の蜷川幸雄さんへの想いを綴った写真展は私的であると同時に作家としての蜷川実花がその人生における出来事を作品に込めるアーティストとしての生き様を表していると思う。

 

ストレートな写真

写真は淡々と切り取られた作家の回りにある風景の断片だが今回はビビッドで派手な色で有名な蜷川実花ではない。そこにあるのはドキュメンタリー的な写真でストレートに撮られた日々の数々だ。今回の写真で蜷川実花は真摯に誠実に日常の日々を切り取ることの出来る写真家としての力量を見せてくれている。壁面に綴られた父への想いや父の死に際しての自分の心境などもとても興味深い。作家は人生の出来事で制作スタイルが変わったりすることもあるというが蜷川実花はこれからどのような写真家に成長して行くのだろうか。

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桜の写真が多かったが全てそれぞれに美しい桜だった。

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父の入院していた病院の壁だろうか?

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父の死ぬ日は驚くほど平穏でうつくしい日であった。

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病院のベッドか?淡い日差しに浮かび上がる。

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葬式の時に身につける真珠のネックレスなのだろうか。

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父の死を予感させるような菊の花。

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見事に咲き誇る桜の花はやがて散るから美しいのだ。

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誰もいない東京のビルの屋上の風景はもの淋しい。

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展覧会を記念して出版された写真集。