Holy Cow !!
驚きの作家
4月15日まで六本木のTaka Ishiiギャラリーにて五木田智央の展覧会「Holy Cow」が開催されている。5年振り3度目の個展では新作ペインティング15点が1階と3階にて展示されている。展覧会のタイトル「Holy Cow」は英語でビックリした時の言葉であるが五木田智央の作品と近年の彼の世界的な高い評価はまさに驚くべきものだ。
不気味な魅力
五木田智央は以前から気になる作家であった。アメリカやメキシコのプロレス、ポルノ雑誌など古い写真やアルバムなどからインスピレーションを受けた作品はいつも独自のグラデーションを特長とするブラシストロークとコントラストが強調された作風で他にはない独自の世界を展開して来た。近年、白と黒、そしてグレーのグラデーションのみによって表現される彼の絵画世界は不気味な魅力を放っており見るものを不安にさせるようなパワーを持っていると思う。
海外でも高い評価
近年、海外で高い評価を受けたことは彼の独特な絵画世界が外国人の感性にも突き刺さったからだと思うが、まるでフランシス・ベーコンやピカソのある時代の狂った人物画まで連想させるような彼の絵画は今後も興味深く見続けて行かなければならない。
展覧会タイトルの文字を作品としても展示している。
よく見ると描いている部分と描かずに地を残している部分がある。
花の花弁を接写したような作品だが何か得体の知れない物に見える。
彼の作品に多く登場する人物の顔が潰された肖像画は不気味だ。
3階のギャラリースペースには大きな作品も多数展示されていた。
歪んだ肖像や暗い世界の中で甘い臭気を発するかのような植物。
ポーズする女性の姿だが潰された顔の部分にはユーモラスな目が!
古いアメリカの新聞かなにかにありそうな肖像写真が歪んでいる。