The outside of distance
六本木のTOMIO KOYAMAギャラリーでパウロ・モンテイロの個展「The outside of distance」が4月22日まで開催されている。MISAKO&ROSENギャラリーとの共催となるこの展覧会はブラジル出身のアーティスト、パウロ・モンテイロの日本初の個展である。ペインティング、ドローイング、彫刻などをミニマルに且つ表現豊かに制作するこの作家はサンパウロ州立美術館で大回顧展が開催されたほどのアーティストでニューヨーク近代美術館にも多くの作品が収蔵されるなどブラジルの現代美術界を代表する作家だ。
空間に引き込まれる作品
パウロ・モンテイロの作品はミニマルであってそうでない、単純なようでいてみれば見るほど空間に引き込まれるような不思議なパワーを秘めている。キャンバスには色が塗ってあるがその絵の具の塊がキャンバスの端に盛られていたりして色であると共に物質としての存在感を示す。そしてその回りに散在する鉛などの堅い素材で作られた彫刻とのバランスやアンバランス、共鳴感が空間に独特な緊張感を醸し出すのである。色々な角度から見ると様々な表情を見せる作品群は独自の重力場を作り上げているかのようだ。日本初の個展は必見である。
鮮烈な色とミニマルな表現の絵画だが絵の具は物質としても存在する。
壁に張り付く鉛のオブジェは回りとの関係性の中で意味を持つ。
絵画作品に鉛のオブジェが加わり空間に独自のリズムを作り出す。
ギャラリースペースを使って絵画とオブジェが力関係を作る。
特に絵の色のインパクトと独特なバランス感覚は素晴らしい。
大型の絵もあったが、色の配置と形、伸びて行く動きが面白い。