可憐な花びらの器

日常使いの器

1月9日まで渋谷ヒカリエのTOMIO KOYAMA GALLERYにて岡崎裕子展「PETAL 花びらの器」が開催されている。陶器作品には鑑賞用のものもあれば日常で使えるものもあるがこの展覧会の陶器は日常で使えるものだ。皿、急須、花瓶など多くの器には展覧会のタイトル通りに花びらがあしらわれている。皿の渕や花瓶の回りなどに小さな花びらが並びとても可憐で美しい。また皿の面一杯に花の模様が描かれている器などもあって器そのものが大きな花が咲いたように見える。

 

アールヌーヴォーに通じる

滑らかな白い器は花や虫、季節の自然をその絵柄や造形に取り込んで制作されているがどれもとてもモダンで優美である。自然の美しさは芸術の根源的なテーマの一つであるがまさにこれらの器ではそうした自然への敬愛や自然の美しさへの素直な感動が表現されていると思う。なんとなくモダンなアールヌーヴォーのような感覚を受け取ることも出来る素敵な器だ。日常使いでこうした美しい手作りの器を使えば食事もより美味しくなるだろうし美の感性も磨かれるのではないだろうか。

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様々な種類と形、大きさの器が並ぶ展示風景。どれも可憐で美しい。

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花瓶の回りに花びらがぐるりと並んで施されアールヌーヴォーを思わせる。

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お皿の縁には花びらが並びお皿の中にも大輪の花が咲いている。