巧妙に写し取られた実像の世界「東京尾行」

原美術館で5月8日まで開催中のハラドキュメンツ10「東京尾行」を遂に見て来た。

これは是非見たいと思っていたのだが原美術館ってアクセスが不便でなかなか行けなかったのだ。でも、5月8日までやっているので見に行きたい方はまだ時間あります。

佐藤雅晴という作家による映像作品が今回の展示だが次代を担う若手としてこの作家は相当面白いと感じた。実写映像をトレース(写し取るまたはなぞる)ことでアニメーションを作り出す作品だが、全てがアニメーションのものもあれば一部だけがアニメーション化されたのもある。作品はペンツールを使って丹念に、膨大な時間と労力をかけ実写映像をトレース&アニメで再構築を繰り返して作られている。

実写とアニメの境界が揺れながら絶妙に行き来する作品画面の面白さは実際に見ないと分からない。「トレースとは尾行である」という作家がトレースしアニメ化した世界とアニメに実写を混ぜ合わせて表現する様々な東京の風景はどこか異様であるが同時に不思議にリアリティーがあり少々不気味な感じがする。

それにしても面白い作品を作る作家!今後の活躍も楽しみです。

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