Gabriel Orozco

幾何学の世界

表参道にあるRAT HOLE GALLERYにて10月5日までGabriel Orozcoの展覧会が開催されている。日本生まれのメキシコ育ちというバックグラウンドの作家は世界中の数多くのミュージアムで展覧会を開いてきたベテラン作家と言っていい。彼の作品の中枢は美しい曲線が織りなす洗練された幾何学の世界とでもいうべきだろうか。立体作品には美しい中にもどこかプリミティブで原始的な力を感じる。表現方法も様々で絵画的なキャンバスの作品もあれば水彩もある。またインスタレーション的にスーパーマーケットやそこで売られているコマーシャルな商品のパッケージの上に幾何学的な模様を繰り返し描いてしまうという大胆な作品もある。今回はキャンバスに精密に描かれた絵画作品と水彩、そして数点の立体作品がギャラリー内に絶妙に配置された。一見すると美しい幾何学模様のようでいてよく見るほどに見るものの想像力を掻き立てる深みのある作品だと思う。

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今回一番大きな作品。繰り返し折り重なるパターンが美しい。

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幾何学的な曲線の繰り返しの中で何をの残すか何を省くかが決まる。

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水彩画も展示されたがキャンバスと違う味わいのある絵だ。

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幾何学を3次元に置き換えたような大理石の彫刻作品。

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土を感じる陶芸の立体作品はプリミティブな美しさがある。