NYアートリポートVol.9
We the people
ロウアーイーストサイドにあるNEW MUSEUMは常に独自の視点でキュレーションした作家の展覧会を行なってきたが今回の滞在期間中はNari Wardの展覧会「We the people」を展示していた。ハーレムを拠点に活動するこの作家は身近にあるものや廃棄物など様々なものを繋げて驚くべきアートに仕立てる。それはオブジェのようであったりインスタレーションであったり様々だが差別や社会問題などアメリカへのメッセージが強く込められた作品は骨太で迫力さえ感じるほど力強く見るものに迫ってくる。絵画や彫刻など様々なアートがあるがこうした賛否両論を巻き起こすようなメッセージ性の強いアートを展示するNEW MUSEUMの強い信念は表現の自由を尊重する素晴らしいことだと思う。
ハーレムを象徴するアポロシアターのネオンサインが登場。
巨大な機械の装置にクレーンがつけられオブジェが吊るされた作品。
アメリカを象徴するようなサインが布と刺繍で作られる。
身近にあるものを集め繋げ巨大な作品へと変貌させる。
廃棄されていたガラスのボトルもアート作品となってしまう。
ドラム缶を切って何かの装置のようなものに生まれ変わらせる。
壁に直接埋め込んだ無数のカラフルな糸がメッセージを表す。
廃棄物のようなものは繋ぎ合わされまとめられてオブジェになる。
絵画のような作品の表面に沢山の釘と糸でパターンが現れた。
美術館の壁面に直接施された巨大なインスタレーション作品。
紐やタイヤ、金具など無数のものが蜘蛛の巣のように絡み合う。
ベビーカーが原型をとどめないほどにもので圧倒されている。
数百本はありそうな黒く焦げたバットとオーブントレイのオブジェ。
鉄の柵と切り刻まれたパラソルが怖いほどに変わり果てた姿に。
錆びて古びた窓とその前に積み上げられた石やレンガの山。