NY ARTリポートVol.8
様々なギャラリー7
チェルシー地区にギャラリーが移動する以前のこと、PAUL KASMIN GALLERYはソーホーのブロードウェイにあるビルの中にオープンした。イギリス人のポール氏はロンドンの有名なギャラリーの息子で家業のギャラリーをニューヨークでオープンさせたのだと聞いた記憶がある。その当時ニューヨークで雑誌の特派員をしていたのでニューヨークでこれから活躍する注目の若手クリエーターやギャラリストの取材でポールさんやバーバラ・グラッドストーンさんなどを取材したのはいい思い出だ。
その後、PAUL KASMIN GALLERYもチェルシー地区に移転してギャラリー名もKASMINとなり今に至っているが現在ではギャラリーやスカルプチュアーガーデンなど5カ所ものスペースを持つギャラリーへと成長した。今回は10AVEのギャラリーと27丁目のギャラリーを見たがそれぞれに現代絵画やフランスのスカルプターの工芸作品展示などユニークな展覧会を見せてくれていた。僕が取材した約30年前、ロンドンからニューヨークのアートシーンにやってきた若きポール氏は見事にニューヨークという街で生き残り成功したわけである。
10AVEのギャラリーではコロンの作家の個展を開催していた。
Jan-Ole Schiemannという作家は今回初めてKASMINでの展示だ。
薄い絵の具のレイヤーを塗り重ねて独特の画面を作り上げる。
小さい作品もあったがなかなか面白い具象のような抽象画である。
27丁目のギャラリースペースでのLES LALANNEという作家の展示。
フランスのスカルプターというから工芸品など造形する作家だろう。
美しい造形美である。エレガントでまさにフランスらしい形だ。
ランドスケープ設計家のLOUIS BENECHとのコラボレーションだ。
美しいフォルムの工芸品の数々がギャラリー内に贅沢な空間を生む。
ワニの飾りがあるベンチや植物のような鏡など素晴らしい作品。
鳩の椅子は洗練されたデザインの中にユーモアもあって素敵だ。