全裸と布

力強く立ち上がる

市ヶ谷にあるMIZUMA ART GALLERYにて棚田康司の展覧会「全裸と布」が8月1日から9月1日まで開催されている。木塊から彫り出された裸婦像の数々は重力の中に力強く立ち上がると同時にその身体に宿る滑らかな曲線美は美しい。これまで少年少女といった題材を通して成熟と未熟、聖性と俗姓などの不安定な存在像を表現してきた棚田の作品は常に境界線にいることによって無限の広がりや可能性の領域を示してきたように思う。木塊という制約の中から見出された様々な裸婦像を通して表現された女性達は境界線に存在しながら世界へと無限の可能性を表しているかのようである。

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木の塊の中に彫刻家は女性像を見出し彫り起こしていく。

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沢山の木から彫り出された裸婦像が並ぶギャラリー内。

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木の像にはオイルや樹脂、スパンコールなどで装飾もしている。

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全裸と布の布部分はまるで本物の布のような表現力だ。

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重力に軽く抵抗するかのように斜めに佇む裸婦像。

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滑らかな体の曲線美、木の質感など見応え十分である。