スターリング・ルビー展

LA拠点の作家

六本木にあるタカ・イシイギャラリーにて4月21日までスターリング・ルビーの展覧会「VERT」が開催されている。スターリング・ルビーはLAを拠点に活動する作家でタカ・イシイギャラリーでは今回が3回目の個展となるそうだ。最新作のペインティングでは赤やオレンジ、黄色、セルリアンブルー、緑、茶などの大胆な配色が黒などの背景と組み合わさり力強い画面を構成する。

 

無骨ながら詩的

厚塗りの絵の具の上にボール紙や布帯などで画面をグラフィカルに切り取った作品からは無骨ながらどこか詩的な感情を感じ取れる。そして作品タイトルには「cross、十字」「window、窓」「vert、垂直」などの含みのある言葉が用いられている。特に「窓」は作家が繰り返し表現してきたテーマであり見るものにとって窓の視点は外から見たものか内側からか明確ではない。不確かな未来の姿を予見しながら内側と外側を行き来する心象風景は絵画の中に無限の広がりを与えるようでもある。

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目の覚めるような荒々しい朱色を緑の枠が区切っている。

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指の跡などが生々しく紙切れの上についている無骨な美しさだ。

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窓のように区切られた画面は外を向いているのか内側なのか。

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絵の具はザラザラとした厚塗りで激しく青と黄色と緑の枠色が鮮烈。

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セルリアンブルーと黒い枠、白い色のコントラストが力強い。

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絵の前でしばらく静かに眺めて絵の放つ力と対峙するのもいい。