常盤の部屋
「SIDE CORE」結成メンバー
2月3日まで西麻布にあるSNOW Contemporaryギャラリーにて松下徹の展覧会、開閉しろ都市Part2「常盤の部屋」が開催されている。初めて行くギャラリーで初めて知る作家だったが、松下徹さんは以前に活動を知ったアーティストコレクティブ「SIDE CORE」を2012年に高須咲恵さんと結成したということでその繋がりで案内が来たようだ。インビテーションにあった非常にラディカルな線と色の組み合わさったコラージュのような作品のインパクトに是非見に行こうと思った。
常盤という場所
松下徹さんは高校時代をアメリカで暮らしアメリカ文化の特にストリートカルチャーやグラフィティカルチャーに大きな影響を受けたという。日本に戻って芸大で制作活動を続ける中、ふと思考の中心がアメリカからスタジオを持つ常盤という日本の「つまらない郊外」にシフトしてしまったことに気がつく。振り子を使って製作される作品は場所や時間軸のズレを表しながら作品化されるがアメリカと常盤の地理的なズレが作品化されたという感じがする。また、素材に廃材などの板を使って描かれた振り子のイメージはバラバラにされて再構築されている。道で見つけた木の板切れの裏に潜む時間なども作品の制作を通して探るという一面もあるのだという。アメリカと日本のなんでもない街をズレによって結ぶ作品にはどこか冷静であるとともに強いインパクトも感じる。
振り子によって刻まれた線が複雑に入り組んで新たなイメージになる。
作品として再構築された振り子の線には強いインパクトがある。
板の切れ端に描かれたイメージが再び繋げられ作品になっていく。
異なる動きが画面に再構成されて面白い作品イメージを作リ出す。
振り子が描く曲線が様々な形に切り刻まれ作品に落とし込まれる。
ギャラリーの壁の隅に作られた作品もとてもユニークな仕掛けだ。
なんとなく未来的でもあるイメージの渦は強烈なパワーを放つ。