マッツ・グスタフソン展
美しい水彩
MA2ギャラリーにて12月27日まで開催中のマッツ・グスタフソンの展覧会「NUDE」にやっと行けたのでLA旅行記の途中だけどその話をしたいと思う。スェーデン生まれのマッツ・グスタフソンは1980年代くらいからニューヨークを拠点にファッションイラストレーターとして活躍して来た。ファッションイラストという分野で僕が尊敬するアーティストはアントニオ・ロペスに始まりルーベン・トレドや日本人ではペーター佐藤さんなど沢山いるがマッツ・グスタフソンもその一人である。淡い水彩で実にエレガントなイラストを描く彼の才能は唯一無二でありそのクールで官能的な絵の雰囲気は北欧という彼のルーツを感じさせる気がする。
ヴォーグで活躍
イタリア版ヴォーグの全盛期、スティーブン・マイゼルのようなスターフォトグラファーが目を見張るような美しいファッションストーリーのページを繰り広げていた時代にマッツ・グスタフソンはファッションイラストでページを飾った。天才アントニオ・ロペス亡き後、クールなイラストでイタリアンヴォーグという世界一のファッション誌を飾るイラストレーターが現れたことはかなり画期的だったと記憶している。その後、クリエーティブディレクターのファビアン・バロンと共に全盛期のハーパーズバザーで活躍を続けたマッツ・グスタフソンは多くのファッションデザイナーとも仕事を続けて来たが今年はディオールのプレタポルテを再解釈した本も手掛けている。流れるような線、淡く輝くシルエット、マッツ・グスタフソンの絵には美しさが凝縮しているようだ。27日までなのでまだ見ていない方は是非!
やり直しのきかない水彩画で彼の筆致は常に精確である。
フリーハンドの線画で体の美しさとリアルさを見事に表現する。
今回はヌードに限定しているが洋服を着た姿の絵も最高にうまい。
今回はギャラリーの3階まで展示していて家具も一緒に展示している。
今年ディオールのために製作した本の表紙はシルエットが美しい。