Coyote
日本の抽象表現
Maki Fine Artsにて8月27日まで白川昌生さんの個展「Coyote」が開催されている。プロフィールを見ると白川さんは1948年福岡県に生まれ70年代にフランスとドイツで哲学と美術を学んだそうである。81年にはデュッセルドルフ国立美術大学を卒業、83年に帰国後は群馬県を拠点に作家活動をしているそうだ。近年、日本の前衛美術やモノ派と呼ばれる作家などが世界で注目される中、白川さんのシンプルだが独自の存在感を示す作品は日本の抽象表現として興味深い。
Coyoteとは?
今回の作品展の名前でもあるコヨーテに関して作家はこの絶滅危惧種の野生動物の存在に自らの内にある知恵を感じたいのだと述べている。森や林の中、様々な種類の緑色が溢れかえる世界を無限の色の差異を知覚しながら進んでいくコヨーテの活動に習いその知恵を自らも感じたいのだという。とても控えめでシンプルだが美しいバランスで組まれたキャンバスと廃材の絶妙な組み合わせと色の差異を是非コヨーテに想いを馳せながら鑑賞して欲しい作品である。
究極に突き詰られた色と形と素材の質感の組み合わせ。
グレー、白、淡いグリーンの組み合わせがとても美しい。
廃材にのネジ穴の後やペンキの剥がれた跡なども作品にする。
淡いピンクとイエローの組み合わせは力強い存在感だ。