超絶な描写技法
日本の山水を描く
恵比寿のアート系書店ナディッフの3階にあるMEMギャラリーにて4月30日まで開催中の本田健展「ゆきつき」を見た。20代にヨーロッパ各地を回った作家は岩手県の遠野に定住して日本の山水を描くことを決意したという。彼は時に里山を10時間も歩き回りそこで遭遇した景色を作品とするそうで山を歩く行為と描く行為は堅く結びついているのだという。
信じられない描写力
里山の野花や山林などの風景はチャコールを使って緻密な絵となるのだがその模写力は信じがたいほどで写真のようというよりも作者の景色への様々な情念が全て注ぎ込まれたような力を感じずにはいられない。見た物をそのままに描くという単純な描き方ではなく気持ちまでをも描き込んだような素晴らしい作品になっている。とにかく人の能力というのは本当に凄いと感じてしまったが皆様も是非ご覧頂きたい作品です。
良く見ると木の隙間からかすかに木漏れ日が見える。
野花に日があたった感じが繊細に表現されている。
手前の杉の木と背景のぼやけた感じに独特な空気感が漂う。
椿だろうか?野花の可愛らしい感じもよく描かれている。
木の幹の荒れた感じが素晴らしい模写力で描かれる。
雪の里山の森林に冬の日が射す。あたりは静けさに包まれている。