ガラスの生命体
透き通る生き物
銀座のポーラミュージアムにて2月26日まで開催されている青木美歌の展覧会「あなたに続く森」を見た。ずっと行きたいなと思っていたので遂に行けて良かった。そして予想以上の素晴らしい展覧会だった。繊細で透明なガラスを自在に操り見事な造形物を作り上げる作家の技術と美的センスはずば抜けている。バーナーワークという技法でこれらのガラスオブジェは作られるのだそうだがまるで生きているような力に溢れている。
生命力の美しさ
ガラスという素材を加工して作られるのは菌類やウィルス、細菌といった眼に見えない「生命の在りよう」なのだという。上に向かって伸びて行くもの、回りに広がって行こうとするもの、固まろうとするもの、生命力が発する色々な動きを見事にガラスで表現していてその繊細さには驚愕する。またガラスの特性を生かすように作品には様々な角度や強さのライトがあてられていて反射や乱反射が更に美しい趣を作品から醸し出させているのも見どころだ。もうすぐ終了なのでまだ見てない方は是非見に行ってもらいたい展覧会だ。
上に向かって触手をのばす菌ような動きを感じる作品。
細いガラスの組み合わせと積み重ねが美しい生命を持つ。
吊るされた沢山のガラスの玉はまるで花粉のようでもある。
ガラスのボールに光をあてて様々な乱反射を作り出す。
細菌が広がり続けるような不思議な動きを表しているようだ。
顕微鏡で覗いた世界にでも存在していそうな奇妙な集合体。