反射する思い出

今後も楽しみな作家

24日まで白金の児玉画廊にて糸川ゆりえの展覧会「ストーム」が開催中だ。

彼女の作品は以前にも見てとても良いなと思ったが今回も素晴らしい才能を見せている。まだ20代ということで今後が更に楽しみな作家だ。

 

過去のメモを見て描く

彼女の制作スタイルは旅先やふと思い立った時につけるメモを見返すことから始まる。その時に思い描いたことやストーリーなどをもう一度思い起こし作品にして行くのである。そういえば絵に漂う雰囲気からはどこか夢心地というか、ぼんやりとした記憶のシーンの断片を切り取ったような印象を受ける。

 

独特な透明感と輝き

絵の方は銀や透明色の絵の具を塗り重ねることで独特の透明感と輝く感じを醸し出している。反射なのか光っているのか定かではない曖昧な輝きがとても魅力的でうす塗りの繰り返された画面は深く浸透した色とテクスチャーと形で出来上がっている。人物、星座、ボート、家などが水辺や山の風景と重なり一種独特な情景を生み出しているのだ。絵の才能は恵まれるか否かだと持っているが彼女は恵まれた才能を有していると思う。海外からの問い合わせも多くコレクターもいるというのも納得出来る作品である。

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独特な透明感や浮遊感が美しい色と輝きで描かれる。

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遠い日の記憶か架空のストーリーか。

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なんとも言えない色使いと透明感、透け感が魅力的である。

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塗り重ねられた色とテクスチャーのレイヤーが一つの物語を作る。

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猫ちゃんもアート鑑賞中です。