永遠の瞬間

佐藤翠さんの絵の魅力

僕がディレクターを務めるアートサロンSCENEにて先週から佐藤翠さんの展覧会「ETERNAL MOMENT」が開催されている。1月いっぱいの開催だがアポイント制なので行きたい方はお手数だけど事前に連絡をしてください。佐藤翠さんは小山登美夫ギャラリーの作家でまだ20代という若さだが素晴らしい才能に恵まれている。絵を描く早さも凄いので若くして非常に多産な作家さんである。彼女の絵の魅力はその独自な色彩感覚と抽象的でありながら具象絵画という際立ったスタイルにある。

 

最初は抽象、最後に具象

佐藤さんの絵を最初に見たのは今から3年ほど前、伊勢丹でアートを展示する仕事をしていた時に小山さんから紹介されて伊勢丹で作品展示とライブペインティングをしてもらった。作家の制作風景が見られるライブペインティングだが、佐藤さんの制作風景を見てその類い希な才能はすぐに見て取れた。最初、何も描かれていないキャンバスにアクリル絵の具を垂らして抽象的な画面を作り出す。それを進めて絵の調子が出て来たところで少しづつ具象を感じさせるニュアンスを加え始めて最後に素晴らしい筆致で形を描き込んで行くのだ。最初は色だけの抽象画なのに最後には素敵なクローゼットが姿を現すという実に感性の鋭い絵が生まれるのである。そんな具合で、今後も非常に楽しみな作家の活動を支援出来るのは嬉しい限りである。

http://scenetokyo.com/

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アートサロンSCENEでは今後もアートと暮らすような展示を開催。

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クローゼットの絵なのだがまるで抽象画のようでもある。

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ガラスのテーブルに並んだ小さい作品はショーケースのようだ。

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色彩感覚が独特で非常に魅力的な絵になっている。

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最近ではキャンバスではなく鏡に絵を描くという試みをしている。