ピンボケ写真の極意!
写真家の上田義彦氏がキューレーションするgallery916には前から行きたいと思いつつもなぜか行けていなかった。
今回、上田氏ご本人の作品集の出版を記念して回顧展的な展覧会、A Life with Camera Yoshihiko Uedaが開催されていると知ってやっとギャラリーを訪れる機会を得た。
倉庫を改装した広いギャラリーには様々な仕事やプロジェクトで撮影した多くの写真と映像が展示されていてとにかく圧巻の展覧会だった。
もしもまだ見ていない方で興味があれば是非お勧めしたい。
上田さんにはお会いしたことはないけど奥様の桐島カレンやカレンの弟で写真家の桐島ローランドとは20代からの知り合いである。
写真にはカレンも登場してほのぼのとした愛情関係を感じた。
数ある写真の中で僕が衝撃を受けて好きになったのはピンボケな写真達だった。
ピンボケなんていうと失礼だけど他にどういったらいいのかも分からない。
ピントがぼやけているそれらのイメージは抽象的な色彩と形で何かを暗示させる不思議なイメージなのだった。
写真が発明される以前にも人は写真的な物の見方をしていたのだと思う。
眼に焼き付けるとかいうのがそれだ。
目で見たイメージを脳裏に、記憶に焼き付けるのである。
でも、捉えるのは見た物のそのままではなく脳が見たイメージである。
このピンボケ写真はなぜか僕にそんなことを考えさせてくれる写真だった。